メロトロンサウンド

MEMOTRON Rack manikin electronic

メロトロンの音は独特なものです。
あのかすれたようなストリングスの音になぜか惹かれてしまいます。
メンテナンスが大変な楽器としても知られてます。
本物のメロトロンを手に入れたとしても維持出来ないでしょう。
それ故、あこがれの楽器でもあります。
そんなある日、発見しました。完全メロトロンサウンドを再現したラックを。
それが、「MEMOTRON Rack」manikin electronic社から出ているのです。
状態のいいメロトロンから一音づつサンプリングしたと思われる(思いたい)
その音はまさしくメロトロンの音でした。

MEMOTRONの音のこだわり

鍵盤を押して8秒たつと音が止まります。
これはむしろマイナス要素だと思うのですがこだわりがあるのでしょう。
そして音の出る範囲が、35鍵と決まっていて、MIDIで他の鍵盤から音をだしても
35鍵からはずれると音は出ません。
きわめつけは、ホールドペダルがきかない事です。
これは困ります。
鍵盤から鍵盤へ移る時はホールドペダルを踏みながらでないと音が切れてしまいます。
メロトロンの音を出していて、別の音へ鍵盤を変える時、
もの凄い高速で移動しなくてはいけません。
これは練習しました。
素早く鍵盤を移る練習です。
上下に鍵盤をセットしているので、下の鍵盤から上の鍵盤へ移るときは手をぶつけてしまいます。
痛いんですよね、これがまた。
最近の安いシンセは鍵盤がすごく軽いので、ちょっと隣の鍵盤に触れても
ビャー、と変な音が鳴ってしまいます。
これもかなり汗ります。
MEMOTRON を弾きこなすには、プレイ以外の練習が不可欠なのです。


KINGKORGでのストリングスサウンド

アナログ仕様のシンセサイザーKINGKORGには、基になる波形にTepe Stringsがあります。
そうです、Tepe Strings とは、メロトロンの波形なのです。
これを使って作り上げたのが、今メインで使っているストリングスの音なのです。
若干、音が変調する場所がありますが、かすれた音は再現されています。
キーボードトラッキングで高音にいくほど音が強く出るようにしています。
そうすると、低音に行けばいくほど、音が弱くなってしまいます。
これを解消すべく、M-SE1をMIDIでつないで、低音部を補っています。
M-SE1はキーボドトラッキングを逆にして、低音に行くば行くほど、音が強くなる設定にしています。
これで、KINGKORGの低音部の変調を避けられますし、音のバランスが良くなりました。
メロトロンの感じはちょっと弱くなりましたが、十分いい音です。
今は、MEMOTORONの音より気に入っています。
ライブでは、音が違った事に誰も気づいてくれないのですが、明らかに音はグレードアップしています。
何かよく分からないけど、前回より良かった、と皆さん言ってくれるので、結果オーライです。
多分、同じ鍵盤奏者の人でないと、分からないのだと思います。
HALL OF GLASS では、ストリングスの音=バンドの世界感なのでストリングスの音は生命線なのです。


New Wave + メロトロン = HALL OF GLASS

当時から感じていたのですが、日本にはUltravox タイプのバンドがほとんどいません。
多分、需要がないからなのでしょう。
幅を広げて、ニューロマンティクスと呼ばれたグループ、
デュラン・デュラン、ゲーリー・ニューマン、ビサージ、スパンドゥー・バレー、など
音楽性のバンドは皆無なのではないでしょうか。
聴いている人はいるのに、なぜなのでしょうか。
それなら、自分達でやってしまおう、と思い
HALL OF GLASS は結成されました。
Dark なNWサウンドをめざして、
そこに何か変化をつけたくて
それなら、好きなメロトロンの音を使おう
こうしてHALL OF GLASS にメロトロンの音が導入されたのです。
その結果、似たバンドはまったくいない状態になってます。
まず、KB3台持ち込みする人がいないようです。
どこのライブハウスでもめずらしがられます。
大体、KBスタンドのほうが、KBより重いんですから嫌になっちゃいます。
KB3台に目がいってしまうので気付かれないのですが
音源も2台、持ち込んでいるので、シンセは5台使用しています。
音を重ねて出しているので、厚くなっているのですが
そこに気が付く人はいままで1人もいません。
打込みを使わずにあの音がリアルタイムで鳴らせることが出来るのは
HALL OF GLASS だけなのです。

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